20代の女性に移植卵を3個!?

2月19日 香川県立中央病院(高松市)の受精卵取り違え疑惑で、川田清弥医師(61)の会見が報道された中、
川田医師は昨年9月、2度に分けて 計3個の受精卵を移植。うち1個は別の患者のものの可能性が高いが、残り2個は本人のものを移植していたことが23日、同病院への取材で分かったようです。
学会は昨年4月、妊娠可能な同じ期間に移植する数を「原則として1つ」35歳以上などで2個と定めている。

● 02年以降、複数の検査技師を配置。現在は5人が1日数時間ずつ採卵や培養液の交換などをし、川田医師の業務を手伝っているという。取り違えが起きたとされる昨年9月18日も同様の体制だったが、川田医師は1人での作業について「検査技師の勤務上、たまたまそうなった」と説明。また川田清弥医師は、体外受精の作業結果をコンピューター上で作成していたが、廃棄した受精卵の個数を記録していなかったことも判明した。誤って20代女性に移植されたのは廃棄予定の別の患者の受精卵とみられ、記録があれば人工中絶に先だって、移植ミスを検証できた可能性がある。
松本祐蔵院長は「記録は取っておくべきだったと思う」と話し、川田清弥医師の記憶と受精卵の成育状況を頼りに、取り違えが起きた可能性が高いと判断。今回の問題を受け、同病院は受精卵の廃棄数の項目を治療記録に設けたという。
               〔共同〕2009年2月23日14:01  日経ネット


● 早期に親子鑑定できる可能性があったのに女性側に説明しなかった点について、会議では危険性を指摘した担当医の発言を優先。夫妻への説明を後回しにし 院内会議を4回行い、初会議から夫婦への説明まで1週間かかった。
1回目の会合では 子宮内の羊水を調べ、妊娠15週から可能になる「羊水検査」について検討。
3連休後の2回目の会合では 他の鑑定方法がないか検討。川田医師は、妊娠9〜11週でできる「絨毛(じゅうもう)検査」を紹介したが、「危険だし、正確に調査できる機関が見当たらない」と説明した。このため、女性側へ積極的に紹介できないと決めた。一方、川田医師のほか松本祐蔵院長ら7〜9人の参加者は「受精卵を取り違えたと判断した上で協議を進めざるをえない」との結論に達したという。
3回目の会合で、「中絶する場合は早いほうがいい」と合意。11月6日に開いた4回目の会議で女性への説明用のメモを作成し、女性側に事態を説明するため電話で連絡した。
               〔共同〕2009年2月23日14:01  日経ネット



「6週間後なら分かるが、その時に中絶すると母体に負担が大きい」と説明していた。待ち望んだ妊娠だったのに……。説明は約1時間に及んだ。「どちらの(カップルの)受精卵か分かる方法は」。子供を産みたいという思いから質問する夫婦に、担当医は「(今から)6週間後に羊水検査をすれば分かると言われているが、100%信用できる検査機関を私は知らない」と答えた。
その場で女性は「100%自分の子供なら産みたい」と涙を見せたが、3日後、夫から病院に中絶すると電話があった。中絶した時は妊娠9週目だった。
       2009年2月20日 1:00 毎日新聞【大久保昂、三上健太郎



同病院は香川県内の体外受精治療の中核。患者数は98年以降90〜53件で推移し、08年は86件。産婦人科医は7人いるが、専門性が高いため事実上、川田医師1人に任せていた。病院側は川田医師の単独作業が多いことも認識していたが、93年の開始時から約1000件を扱うなど実績があり、問題視していなかったという。同病院では、疑惑発覚まで院内マニュアルにミス防止手順がなかったことも判明している。



もし、周辺に不妊治療を専門とする医療がなく、それでも子供がほしいと願う方々は 最後のとりでとして香川県立中央病院(高松市)に脚を運ぶのかもしれない。香川県立中央病院(高松市)に頼らざるおえない方々の心中も計り知れません。


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【防止に指針なし】
 受精卵を取り違える危険性は、以前から指摘されてきた。

 95年、石川県小松市不妊治療専門クリニックが、名前のよく似た女性を取り違えて受精卵を戻した。直後にミスが分かり、妊娠に至らなかった。
愛知県小牧市小牧市民病院では02年、人工授精を受けた女性に誤って夫以外の精液を注入し、妊娠しない処置がされた。
英国では02年、白人夫婦が体外受精で双生児を授かったが、赤ちゃんの1人が黒人で取り違えが発覚した。

 取り違え一歩手前の事例はさらに多い。

 蔵本ウイメンズクリニック(福岡市博多区)が07〜08年に実施した全国調査によると、回答した不妊治療施設114カ所のうち、患者の取り違えなどを「身近に感じたことがある」と回答した施設は56と約半数を占めた。回答では▽受精卵の取り違え▽精子の名前の誤記入−−などの事例があった。取り違え防止や事故発生時のマニュアルについては4分の3を超える87施設が「なし」と答えた。

2009年2月20日  大阪朝刊




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