体外受精(IVF)
1 .よい卵をたくさん育てます(卵巣刺激)
妊娠の確率を上げるために、排卵誘発剤を使って
たくさんの卵胞を育てます。
卵子をとる(採卵)前に自然に排卵してしまうことがないように、
排卵をコントロールする薬(GnRHアゴニスト製剤もしくは
GnRHアンタゴニスト製剤)を併用します。
採卵の36時間前にhCG製剤を注射して、
卵子の最終的な成熟をうながします。
2. 卵子を体外にとり出します(採卵)
麻酔をかけ、長い注射針を膣の壁から卵巣内の卵胞に刺し入れて、
卵胞液ごと成熟した卵子を吸引します。
3. 卵子と精子を一緒に(媒精)
マスターベーションで採精された精液を洗浄・濃縮して
元気な精子を選び、卵子の入ったシャーレに加え、自然な受精を待ちます。
4. 胚(受精卵)を育てます(胚培養)
採卵の翌日に受精したかどうかを確認した後、
さらに胚の培養を続けます。
5.お母さんの子宮の中へ(ET/胚移植)
4〜8細胞期胚(初期胚)もしくは
胚盤胞(着床時期の胚)まで育てた胚の中から、
質のよさそうなものを2、3個選び、
カテーテルを使って子宮内にそっと戻し、
着床してくれることを期待します。
6.妊娠しやすい環境に(黄体補充)
移植した胚が着床しやすいように、
黄体ホルモンの分泌をうながすhCG製剤を注射したり、
黄体ホルモンそのものを投与したりします。
7.無事、着床してくれたでしょうか(妊娠判定)
胚移植から約2週間後、妊娠したかどうかを判定します。
胚が着床していれば、
絨毛(胎盤のもと)からhCGという成分が分泌されます。
おしっこの中からhCGが検出されれば、
それは赤ちゃんからの「ここにいるよ」のサインなのです。
※hCG製剤を注射している場合、その時期と量によっては妊娠判定の結果に影響が出ることがあります
前核期胚(採卵翌日)
卵子の中に精子が入り込むと、卵子由来の前核と、
精子由来の前核が寄り添うように並びます。
採卵の翌日、
このような前核期胚が確認されれば、受精成立!
数時間後には2つの前核が融合して、
父側と母側の遺伝情報が混じり合い、受精が完了します。
4細胞期胚(採卵2日後)
受精卵(胚)の質を見極めるためには、
ある程度の時間、培養してみなければわかりません。
従来のARTでは、
採卵2、3日後の4細胞期胚〜8細胞期胚の時点で
子宮内に戻すやり方が主流になっていますが、
フラグメント(細胞くず)が少なく、細胞が均等に割れている胚ほど良好とされています。